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『レースにもサイクリングにも役立つ集団走行講習会』 第四部・集団コーナリング編。

10月26日の業務日報・5ページ目

集団走行の基本とも言えるローテーションの練習をした後、この後、特殊な練習をするべく移動しました。
移動した先は相生市の野瀬埠頭という港湾施設がある埋立地。
休みの日の港湾施設は車通りがほぼ無く、さらに道幅が広く直角コーナーが4つあります。
この条件は、これから行おうとしている練習には最適だったのです。

これから行おうとしたのはコーナリングの練習。
しかし単独でのコーナリングの練習をしたかったのではありません。
レースにおいて、集団で走行している場面を想定しての練習をしたかったのです。

普段のライドは公道を走行するのでありえないのですが、レースでは誰かと並走するシーンが度々あります。
しかも集団ともなると選手同士が密集しており、誰かの肘が当たったりなんてことが普通に起こるほど・・・
そんな密集した集団内でカーブをクリアするときに、何に注意すればよいのか?

ということで、最後はレース中の、特に集団内での安全なコーナリング方法について書いていきたいと思います。


第三部 「集団コーナリング」

① レースを安全に楽しむための必要最低条件
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上の図では、集団内で並走したまま直角コーナーを抜けようとしています。
こんな状態で全員が無事にコーナーを抜けるためには、絶対に欠けてはならない大切なことがあります。

早めにブレーキを掛け、十分すぎるくらい安全なスピードまで減速すること。

まずはこの意識が無ければ集団でのコーナリングはお話になりません。
しかし残念ながらレース運営に携わっている方々に話を聞いてみると、
日本のホビーレースはコーナリングスピードが高すぎるのが現状で、
実際にそれが原因で落車が大量発生しているそうです。
レース前やコーナー付近で減速を呼びかけても、聞く耳を持ってくれていないと嘆く声を聞いたこともあります。

ちなみにロードレースの盛んなヨーロッパでは、コーナー手前での充分な減速が自然とできているそうですね。
アメリカでは逆で、日本以上にコーナーで吹っ飛んでいく選手が多いそうです(笑)
さあ、どっちがお好み?

レースはもちろん人よりも先を競う意識が働きますが、それが許されるのはストレートのみ。
集団内でさらに上のポジションへ行こうと、コーナー前のブレーキングを遅らせたり、
速いスピードでタイヤのグリップを目一杯使ってコーナーを攻めたりすることは、
集団内の全ての選手に落車のリスクをもたらす非常に危険な行為です。

全員が安全にコーナーを抜けるまでは我慢!
ポジションアップはコーナーからの立ち上がり加速で自慢の脚を使って狙うようにしましょう。

またコーナー手前やコーナリング中は落車のリスクが最も高まる場所です。
前方で何かが起こっても対処できるように、前走者との車間を1車身くらい空けておくと安全です。

さらに並走する人とはハンドルの位置をきれいに横並びにしておくと、
お互いの位置関係がつかみやすく落車のリスクが格段に減ります。
慣れは必要ですが練習しておくとレースをより安全に楽しむことができます。


② ラインキープ
b0299252_051086.png
赤メットさんがひとりで直角コーナーを抜けようとしています。
赤メットさんは今まさにタイムトライアル中。
コンマ1秒でもタイムを詰める必要があります。
こんなとき、どのような走行ラインをとればよいでしょうか?
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最速ラインは「アウトインアウト」。
これは簡単ですね。

b0299252_095464.png
続いて、赤メットさんのイン側に青メットさんがいます。
ロードレース中で、並走したままコーナーを抜けなければいけない状況です。
しかし、赤メットさんは先を急ごうとするあまり、最速ラインでコーナーを抜けようとしてしまいました。
さて、どうなるのでしょうか?
b0299252_012699.png
ですよね~!!

赤メットさんがインにより過ぎると青メットさんの走行ラインをつぶしてしまい、青メットさんと接触してしまいます。
図の様に、後続がいなければ青メットさんが急ブレーキをかければ接触は避けられるかもしれませんが、
レース中は後ろに選手がいるかもしれません。
青メットさんがコーナリング中に急ブレーキを掛けると、後続も急ブレーキを掛ける必要があります。
最悪、追突や急ブレーキによってタイヤのグリップを失って落車が発生しかねません。

では、そのリスクをなくすためにはどうすればよいのか?
b0299252_0185150.png
赤メットさんがイン側に1台分のラインを残した走行ラインをとればいいんです。
人のラインを潰さないように、自分のラインを走行する。
それが「ラインキープ」です。


とっても簡単ですね。
簡単すぎてバカにしとるんちゃうか~、と思われそうですが、実際にレースで集団コーナリングをした時に、
「ラインキープ!!」と大声で呼びかけたのに、アウト側の選手がインによってきて走行ラインを潰されたことがあります。
たぶんそのアウト側の選手は「ラインキープ」の意味を知らなかったんだと思います。
アウトインアウトが正しいラインだと思い込んでてそのラインをキープしちゃったのかな(笑)
大迷惑でしたけどね!!
b0299252_0294122.png
あとはイン側の青メットさんが充分に減速せずにアウト側に膨らんでも接触しますね。
アウト側の赤メットさんも、イン側の青メットさんも、お互いしっかりと「ラインキープ」のルールを厳守することが
安全な集団コーナリングには欠かせません。
b0299252_0353375.jpg
ということで練習練習~♪


③ 集団のプレッシャーに慣れておく
普段のライドではもちろんキープレフトで並走なんてもってのほか。
しかしレースともなると、特に先頭集団では、前述のとおり肘が当たる距離に他の選手がいます。
自分がちょっとでもフラついたりすれば接触してしまう距離感・・・
最初はものすご~く戸惑い、ものすご~く緊張します。
当然です(笑)
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さて、そんな緊張した状態で3人が並走したまま直角コーナーを抜けようとしています。

「ブレーキ!」

  「ラインキープ!!」

掛け声もかかっていよいよコーナリングへ!
さあ、それぞれの選手はどんな走行ラインを取ればよいでしょうか?
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こんな感じですね。
正しいラインキープが分かっていれば、接触は起こりません・・・

しかし!

これだけ密集していると緊張して筋肉が硬直してしまいがちです。
必要以上に硬くなってしまうと、正しい走行ラインを取るための正しい操作に支障が出てしまう恐れがあります。
特に赤メットさんと黄メットさんに挟まれている青メットさんは、走行ラインがどちらにずれても接触のリスクがあるため、
ものすごいプレッシャーがかかることになります。

どうすればよいでしょうね?(汗)
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うん、こればかりは慣れるしかありません。
まずは左右の間隔を緩めにとって、20km/h台のゆっくりなスピードで模擬集団走行をしました。
b0299252_0502213.jpg
「怖い~!」

そんな声が聞こえながらも、もちろんコーナリングもやりました。
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慣れてきたら左右の間隔を詰めて緊張感を上げます。
b0299252_054375.jpg
イン側、真ん中、アウト側、全員がそれぞれのポジションを体験できるようにローテーションしながら周回を重ねてゆくと、
次第にキレイに集団で曲がれるようになりました♪

この練習は20km/h台前半のゆっくりしたスピードでやると、ロードバイクがふらついてやりにくいです。
しかしあえてそのやりにくいスピードでやりました。
レースになると、もっと高いスピード域で曲がることになり、ロードバイクは安定しやすくなります。
ふらつきやすいスピード域でできれば、安定するスピード域では簡単にできるはずなので、
練習ではふらつくくらいのゆっくりなスピードでやってみてください。

尚、今回の練習は車通りの無い場所を選定した上で、コーナーに監視役を置いたり、先導役をつけるなど、
十分に安全に配慮した状態で行いました。
この練習を実際に行う場合は、周囲の迷惑にならないように、十分に配慮して行ってください。


以上、集団コーナーリング編もおしまい!
これで『レースにもサイクリングにも役立つ集団走行講習会』の全内容を書き終えました♪
う~、やっと慣れない感じの文章ともおさらばです♪


ここまで読んでいただきありがとうございます。
次回はこの講習会を終え、初めて講師役を勤めさせていただいた僕の感想などを書きたいと思っています。

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by rynx04 | 2014-11-11 01:06 | 集団走行技術 | Comments(17)
Commented by コグけん at 2014-11-11 07:42 x
毎度、楽しみにROMらせて貰ってます。
鈴鹿のレースが近いんで、練習こそ出来ませんが、参考になります。
レースなんかだと、インが空いてるラッキー!と入っていったらアウトから見もせずかぶされたり、コーナーでは慎重になります。

恐らく、臨時漕会さんも出られると思い、密かにお会い出来るの楽しみにしています。
Commented by バスク輪 at 2014-11-11 07:45 x
真ん中で走る場合、左右どちらにも逃げ場がないので緊張しましたねぇ(^_^;)
昔、高校時代にやった集団行動訓練を思い出しました。徒歩でも一定の間隔を保って隊列を組むのは難しいんで、自転車だと尚更ですね。
Commented by おばさん at 2014-11-11 10:12 x
レースでなくても、 大勢が一斉にスタートするイベントでは 始めは団子状態です{(-_-)}
その後にすぐ コーナーや下りが有ったり…。
怖くて緊張すると 行ってはいけない場所を凝視してしまうと 必ず その方向に行きますね(*_*)
こういう練習だけでなく ロードバイクを上手く操れる練習会なんか有ると良いですよね。
一人で広い駐車場とか使って練習するのも良いかも…。 いや 一人だと 走りに行ってしまうかな(^^;;
Commented by バイソン at 2014-11-11 17:11 x
長編解説お疲れ様でした(* ̄∇ ̄*)

こんだけ色々練習ができる場所があるというのは 良いですね(*´∀`)

港での写真を見てて 思い出しました。高校3年間は 学校から10キロは常に喋りながらこんな雰囲気で通学してたなと(笑)

僕の集団走行のルーツは楽しい楽しい高校生活でした(笑)
Commented by ディー at 2014-11-11 18:42 x
来年の食料事情を守るために参加できなかった「集団コーナリング」待ってました!

一通り読んでみましたが、やっぱり頭で理解するのと体験するのでは全然違いそうですね…
読んで分かった気になっても、その状況で落ち着いて対応できるかというと ? です(・_・;

レースには出ないから…とかでなくて、知ってて誰も損しないものなので、知識として覚えておこうと思います。
体験の方は次こそ参加したいので、また計画あればよろしくお願いします。
Commented by ワタル at 2014-11-11 20:28 x
わー、いいなぁ~その練習はしてみたいです。(>_<)

集団の中での走行、これが一番レースやタイムを競う系統に出る場合に不安に思うところです。自分のミスで他の人落車させたらどうしようと。ラインキープも一人でやっていると、ちゃんとできてるか自信がない(^^; ロングライドの大会もスタート直後の団子の時は、同じ心配して最後尾にいます(-_-;)
Commented by ヨシト at 2014-11-11 20:40 x
図解も交えてわかりやすい記事ですね。
鈴鹿エンデユーロでレースデビューなので非常に参考になります。
一緒に参加するメンバーもレースデビューの者が多いので、この記事を紹介したいと思います。
Commented by ダイズ at 2014-11-12 14:58 x
私はサーキットイベントしか出たことありませんが、コーナーではいつもドキドキしてます。前を見ながらも左右にも神経を送るというか…

自分では気を付けてるつもりでしたが、おかげさまで認識を深めることが出来ました。
講習会シリーズ、お疲れさまでした。

私も次からは出来る限り声出ししたいと思います。大きな声で!
Commented by rynx04 at 2014-11-12 22:44
>コグけんさん
コメントありがとうございます。
エンデューロレースでは皆が注意しているコーナーよりも、ストレートで斜行に遭って落車するケースも多いようです。
ホームストレートでピットで応援している仲間に応えるために、ろくに後方も確認しないままに進路を変えたり・・・
ストレートであっても気を抜かず、安全に楽しんでくださいね♪

尚、臨時漕会からは誰も鈴鹿にはエントリーしていないかと思われます・・・
残念です。
Commented by rynx04 at 2014-11-12 22:46
>バスク輪さん
ロードバイクの場合、スピードが出ており落車がケガに直結するので、その分増した恐怖心が邪魔をしますね。
この恐怖心を克服するには練習を繰り返して場数を踏んで自信をつけるしかないと思います。
僕もまだまだなので、また一緒に練習させてくださいね!
Commented by rynx04 at 2014-11-12 22:50
>おばさん
行きたい方向を見るということは車やバイクの運転でも一緒ですね。
いつか今回の様な集団走行技術練習に操車技術練習も取り入れて、丸一日技術練習に真剣に向き合うのもいいかもしれません。
できていると思っていたことが意外とできていなかったりして・・・
Commented by rynx04 at 2014-11-12 22:52
>バイソンさん
ありがとうございます。
バイソンさんがいつもどおり毎回コメントをくれたことが励みになりました(笑)

西播磨ってただ走るだけでも気持ちいのに、こんな練習ができる場所が身近にあるなんて・・・
本気でサイクリストの聖地と言っていいかもしれませんね。
Commented by rynx04 at 2014-11-12 22:54
>ディーさん
ご飯があってからこそのロードバイクですから(笑)

この記事で理解したことも、実際は恐怖心などが邪魔をして最初はなかなかできないんですよね。
備えあれば憂いなし!
また機会を作りますからその時は思う存分練習しましょう。
Commented by rynx04 at 2014-11-12 23:01
>ワタルさん
この練習には人数と場所が必要ですからね・・・
西播磨にお越しの際は、是非鍵コメでご一報を!

僕の場合、何も分からずにエンデューロの先頭集団で初めてラインキープということを知りました。
それでも何とかなりましたが、あれがクリテだったら落車の発生原因になっていたでしょうね・・・
ワタルさんは知識は十分だと思うので、次のイベントでは前の方でスタートし、知識を実践されてみてはいかがでしょう?
最初は戸惑うかもしれませんが、声を出して意思表示をしていればなんとかなるはずですよ。
Commented by rynx04 at 2014-11-12 23:05
>ヨシトさん
コメントありがとうございます。
鈴鹿はシケイン、下りからのヘアピン、S字あたりがラインが交錯しやすそうで要注意かもしれませんね。
ちょっとでも危ないやつがいるなぁ、と思ったら、「右いるよ~!」などと声を出せば自分自身の位置を相手に認識させることができるので、より安全にレースを楽しめるようになると思います。
今回、初レースの皆様の無事を祈っています。
頑張って、そして楽しんできてくださいね♪
Commented by rynx04 at 2014-11-12 23:08
>ダイズさん
ありがとうございます。
上手い人は最小限の視線移動だけで速やかに状況確認していますね。
僕も場数を踏んで、上手くなりたいと重います。
声出しは絶対に損はしないので、出したもん勝ちですね♪
Commented by コグけん at 2014-11-17 23:07 x
鈴鹿無事楽しんできました。
コーナー以外でも、周囲に注意し、ある程度、意思表示を出来たと思います。
最後のほうは、意思表示の掛け声じゃなく、自分への気合いになってて、イミフな雄叫びでしたが。苦笑

鈴鹿みたいな大規模なレースでも、ピットを横切る歩行者と自転車がガシャンとやってたり気が抜けませんね。
普段から、声を出したり意思表示をし、周囲を意識して走ると、レースにも結果的に役に立つんだよなぁと実感しました。
これからも、ブログ、応援しています。
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神戸在住。 「一般人」と「逸般人」のはざまで生きるロードバイク乗りの走行日記的ななにか。


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