あなたが一番気持ちよかったで賞
当初の目的地であるトリガタワに到着。
のんびりツーリングはモーニング様の牽きと僕のヒルクライムで
ガッツリツーリングになってしまいました。
トリガタワを50km/hオーバーのスピードであっという間に下り、
この先は千種町の中心部を経て県道72号線。
下り基調の快走路です。
ここでガッツリ行こうと言いだしたのはコギコギさん。
この快走路を5人で先頭をグルグルとローテーションしながら高速巡航しようというのです。
そして千種町のローソンを高速列車がスタートします。
先頭一番手はコギコギさん。
そしてクライムさん、僕、モーニングさん、ワインレッドさんの順で
次々と20秒で先頭交代をしてゆく・・・はずでした。
まず先頭のコギコギさんが35km/hほどのペースを作り先頭交代を要求。
クライムさんが牽き始めると同時にコギコギさんが列車左をワインレッドさんの後ろまで
徐々に後ろに下がります。
ところが列車最後尾にいるはずのワインレッドさんがいない・・・
「あれぇ!?ワインレッドさんは???」
「高速巡航には参加しないって、後から追い付くそうです!!」
クライムさんによると「すぐに千切れるから・・・」と遠慮されてしまったそうな。
もったいない!!
ワインレッドさんを後方に置き去り、列車はどんどんとスピードを上げてゆきます。
海陸風の向かい風の中、なんと列車の速度は40km/hオーバー!
前走者との車間を一車身でも空けてしまうと
海陸風と40km/hオーバーの向かい風が襲い掛かってきます。
ドラフティングの効果を最大限引き出すために、前走者のクライムさんとの車間は30cm。
ひたすらそれを意識して付いていく。
僕にとって、初めて経験する高速列車でのローテーションです。
やがてそんな僕にも先頭に立つ順番がやってきました。
ブラケットを握る手を下ハンに移し、前傾姿勢を深くとり強くハンドルを押す。
列車後方で溜めていた脚を使い45km/hを目標に巡航開始。
耳元を「ゴォッ!!」とすさまじい勢いで風が通り過ぎてゆく。
約20秒後、後続のモーニングさんに合図して先頭を譲り後ろに下がってゆきます。
「最後尾でーす!」
クライムさんが声を上げ、その後ろにつきます。
しかしこれが簡単そうで難しかった。
先頭を譲った後は、列車の左側を漕ぐ力を緩めてズルズル下がってゆくのですが、
このときに早く最後尾に移動しようという意識からかどうしてもスピードを落としすぎてしまう。
ここでスピードを下げすぎると列車最後尾に着くために最加速するときに、
列車との速度差がありすぎて最後尾にスムーズにつけないのです。
列車最後尾のクライムさんとの車間が一車身以上空いてしまい、
向かい風が容赦なく僕に襲いかかってきます。
結果、向かい風の中40km/hオーバーでのスプリントを強いられることとなり、
列車に追いつくころには心拍が上がってしまっている状態。
「コレはやばいぞ!!」
先頭に立っているときよりも列車に追いつくときの方が心拍が上がってしまう。
列車の後ろにいるときは心拍は落ちてゆくのですが、
自分が先頭のときに意地を張ってスピードを維持して心拍が上がる。
さらに最後尾に下がって追いつくのに心拍が上がってしまう。
回復が間に合わない悪循環で、千切れてしまうのも時間の問題です。
一方、コギコギさんの先頭交代を見てみると、脚を緩めすぎることも無く、
ゆっくりと時間をかけて後方に下がってゆきます。
列車との相対スピードが少ないので最後尾につくときに最小限の加速でつくことができます。
さすがにうまい!!
しかしコギコギさんの先頭交代を真似る間もなく、高速列車は終着の上三河交差点に到着。
次回への宿題が残ってしまったなぁ・・・
しかしこの高速列車は病み付きになりそうなほど楽しい!!
「いやぁ~、気持ちよかったぁ。」
「確実に脳内でなんか出たよね~♪」
田園風景の交差点の一角にて、高揚した顔で怪しい会話を繰り広げる4人組。
そんな4人組が待つ交差点を目指し走ってくるロードバイクが1台・・・
来ました、ワインレッドさんです。
のんびりとした山間の田園風景の中、自分のペースで走ってくる。
先ほどまでの高速巡航列車はそれはそれで楽しかったのですが、
マイペースで自由に走っているワインレッドさんは、それ以上に楽しんでいるように見えました。
「いやぁ~、お待たせお待たせ。」
そう言いながら上三河の交差点にすべりこむワインレッドさん。
僕たちが高速列車で千切れないように必死こいている間、
のんびりサイクリングを堪能しきっていた様子。
満足そうな顔で僕たちに
「気持ちよかったですかぁ?」
って・・・
その言い方があまりにもおかしくて、皆で爆笑。
この区間でもっとも気持ちよくサイクリングしてたのは間違いなくワインレッドさんでしょうね。
暫く笑いあった後、ワインレッドさんのこの言葉に脱力した一行は寺坂峠へ。
ワインレッドさんはモーニングさんの背中に迫る勢いのヒルクライムを見せたとか・・・
のんびりなのかガッツリなのか・・・
この日のワインレッドさんのとらえどころの無い走りと、
「気持ちよかったですかぁ?」と聞いてきたときの顔。
それらの出来事は僕の思い出の中で今なお、異色の輝きを放っているのでした。
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