ハードモードアワイチの洗礼
アワイチの第一の難所・水仙峡の峠道を越え、再び平坦路でペースアップを狙う僕を待ち構えていたのは
強い向かい風でした。
この日の気象情報による風向きは北西の風だったのですが、淡路島南端から陸地を沿うように
風が回り込んできているようでした。
この向かい風の影響で、岩屋港から洲本温泉郷までは37km/hほどだった巡航スピードが、
灘大川の激坂までの平坦区間では28km/hほどが精一杯。
それでも先はまだ長く、脚は温存しておかなければなりません。
ペースを上げたいけれど、我慢の走行を強いられました。
そして第二の難所・灘大川の激坂。
ここでも脚を温存するために、体重を利用したダンシングでえっちらおっちらと上ってゆきます。
しかしダンシングをすると状態が起きるので、向かい風をもろに食らいます。
重力と向かい風のあわせ技で、スピードは一桁と二桁を行ったりきたり・・・
「今日はハードコンディションですねぇ。」
「・・・」
僕と同じようにアワイチをしている人だろうか・・・、ジャイアントのロードバイク乗りを追い抜くときに声をかけましたが、
余裕がないのか返答がありませんでした。
苦しみながらも登坂完了♪
アワイチする大半の人たちが利用したことがあるであろう自販機(個人的にアワイチストホイホイと呼んでいます)で
ファンタグレープを補給。
坂を上った後は炭酸飲料がうまし!
しばらくすると、先ほど追い抜いたジャイアントの人が補給をせずにそのまま走り去っていこうとしました。
そして僕の前を通り過ぎた直後・・・
「なんじゃこりゃ~!!?」
って、大声を出しながら坂を下ってゆきました。
「なにが、なんじゃこりゃ~!!?やねん?」
再出発した直後、彼の発した言葉の意味を理解しました。
「なんじゃこりゃ~!!?」の正体は、先ほどまでとはレベルが段違いな暴風。
下り坂なのに向かい風の影響でスピードが上がらないんです。
しかも風が巻いていて、突然の横風にハンドルを取られてめっちゃ怖い!
押さえつけるように下ハンをしっかりと握って、リヤブレーキを効かせながら慎重に下りました。
このときの向かい風は、まるで空気の壁にぶち当たっているような感じでした。
平地で頑張って漕いでも20km/hでないんです・・・
ふと右手側に広がるたまねぎ畑に目を移すと、つむじ風が畑の土を巻き上げていました。
代わる代わる襲いくる向かい風と横風に耐えながら、ホテルニュー淡路の上り坂にさしかかろうと脇道に入るときに、
「吹上浜」という地名が書いてあるのを見つけました。
なるほど・・・名は体を表す、ということですね。
第三の難所・ホテルニュー淡路の上り坂はこれまでのふたつの難所と比べて傾斜が緩く、
さらに周囲が木々で覆われているため風の影響を受けずに、シッティングのまま難無く上れました。
しかしホテルの建物の辺りは開けており、また高い場所なので遮るものがなく、一段と強い風。
「シュゴフッ!シュゴフッ!シュゴフッ!」
ホテルニュー淡路の風力発電の風車の羽が、僕の頭上を通るたびに不気味な音を立てながら回っている。
その様子を動画に撮ろうとしてたら、あまりの強風に安全装置でも作動したのか、風車は止まってしまいました。
強風のため、鳴門海峡にもところどころ白波が立っていました。
福良の町までの下りも、横風を警戒していつも以上に慎重に下り、
海の間際を走る平坦路では再び20km/h以下の巡航スピード・・・
町の中心に入るころには、アベレージスピードが29km/h台まで落ちてしまっていました。
暴風にやられ失いつつあったモチベーションを回復させるべく、定番の「鼓亭」に逃げ込みました。
この日は向かい風でいつも以上にエネルギーを使っている恐れがあったので、
昼食には消化がよく、早くエネルギーに変わってくれるうどんとおにぎりを選択。
いつもならご飯を食べ終わったらすぐに店を出て走り出すのですが、この日はいつもより長居しました。
もう暴風の中では走りたくなくなっていたんですよね・・・
でも気象予報を見ると、時間が遅くなればなるほど風が強くなるって言っていたので、意を決して店を出ました。
まだまだ半分の行程を走り終えただけです。
ふとももを数回叩き、気合を入れて再び走り出しました。
ここからはアワイチ最後の難関・うずしお峠です。
長めの休憩のお陰で脚の回りは軽く、ヒルクライム向けのホイールを履いてるせいか、いつもより進む進む♪
「強風がなんぼのもんじゃい!
今日は最速記録をだすど~!!」
な~んて、調子に乗りはじめた時に、それは起こりました。
場所はやや上り勾配が緩くなった右カーブ。
そこでは進行方向右側から風が吹いていました。
右カーブなのでロードバイクを右に傾け、漕ぎを入れながら曲がろうとしました。
その瞬間、強烈な突風。
ロードバイクを傾けようとしたのに横風で押し戻されて曲がれなかったんです。
とっさにブレーキをかけてスローダウン。
今度はハンドルを右に切って曲げようとしましたが、ホイールが風を受けて思うようにいかない・・・
こうなれば仕方がない・・・
アワイチで初めて休憩以外で脚をつきました。
これで完全に心が折れました。
もう最速記録が・・・とか、のむラボホイールの比較が・・・なんて言ってられない。
ここからの目標は無事に家に帰ることとする!!
うずしお峠をパスしてからは、ここまでの目標心拍数166bpmを一気に150bpmあたりまで下げて、
安全マージンを十二分に確保した走りでトロトロと淡路サンセットラインを走りました。
残りは60kmほどでほぼ全線が平坦。
その前半では暴風が巻いていたのか、激しい向かい風、横風、追い風がめまぐるしく変わるコンディション。
そして慶野松原あたりでは、突然の雨。
たまねぎ小屋に緊急退避して雨宿りしました。
この時は風が冷たくて、体が冷えきって寒かったなぁ・・・
雨がやんで再び走り出した後半では、目まぐるしく変わっていた風向きが安定しました。
安定した激しい向かい風に・・・
「俺は向かい風が嫌い~♪
風は背中に受けたい~♪」
気がつけば変なメロディーを口ずさみながらコギコギしてたのはココだけの話。
風にやられ続けて完全にテンションが狂ってましたね。
いつもならラストスパートを始める辺りで、ロードバイクを降りて撮影。
海は荒れており、テトラポットに打ち付けた波が飛沫となって顔にかかることもありました。
強風アワイチはハードモードのドM向けアワイチ。
トータル150kmのうち、快走できたのは40kmくらいだったかな・・・
残りの110kmは風に弄ばれました。
この日、アワイチの最大の敵が風であることを認識しました。
いつものうまい鯛茶漬けも、この日は敗北の味・・・いや、うまいことはうまかったけどね。
とりあえず、無事に戻ってくることができたのでそれで良しとして、
最速記録更新は来シーズンに持越しとなったのでした。
次こそは、風向きよしでお願いしますぅ~!!
以上、業務報告終了!!
走行距離 159.21km(内、アワイチ:150.64km)
獲得標高 1,189m(気圧変化が大きかったせいか、サイコン上では異常な数字が出ていたのでルートラボより算出)
平均速度 28.2km/h
最高速度 52.1km/h
平均cad 88rpm
平均心拍 157bpm(75.8%)
最大心拍 180bpm(86.9%)
消費カロリー 3,101kcal
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お疲れ様でした!
走っているときは必死ですが、振り返ってみるといい経験ができました。
ただ楽しかったかはビミョーかも...
風邪に負けて足をついたときは上半身の筋力の無さを痛感しました。
あの時、僕にモーニングさんのような力強さがあれば足をつくこともなかったはず。
まだまだ鍛練が足りませんね
海沿いコースは風をもろに受けますよね。
私は洲本発で時計回りのアワイチを2回行った時は2回とも終盤の岩屋〜洲本間が強烈な向かい風でアベレージはガタ落ちでした。
住宅の間から「ボッ!!!」という爆音とともに突風が来た時は怖かったです。
ロードバイクにとっていつどの方から吹くか分からない突風はもっとも厄介な敵ですね。
この日は体力的にというよりは神経すり減らして疲れた感じでした。
それでも半分が追い風なら我慢しちゃるけど、淡路島は西岸も東岸も向かい風ってことがよくあるんですよね~。
それでも28は速いです。
両岸とも向かい風だと騙された気分になりますよね...
向かい風もそうですが横風にも強くなりたいものです。